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2009年7月に6泊8日でイタリア旅行に行きました。
その旅の記録・・・なんですが、せっかくなので本場?REBORNキャラにイタリアを案内してもらおうというおバカ企画です。
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3日目の案内人:雲雀&ディーノ
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H=雲雀/D=ディーノ
D:「恭弥!こっちだ!」
H:「空港で大声出さないでくれる恥ずかしいから」
D:「だって呼ばないと分からないだろ?」
H:「分かるよ。あなたはムダに目立つからね」
D:「ムダにってどういうことだ?」
H:「派手な見た目とか肩のカメとかいろんな物にぶつかりながらこっちに来るところとかだよね。普通に考えて」
D:「ヴァチカンに行きたいんだろ?意外っつーか納得っつーかな」
H:「・・・どっちなの。博物館と大聖堂が見たい」

D:「・・・あのな恭弥、初めに言っておくけど」
H:「なに」
D:「落ち着いて聞いてくれ。そして冷静にイメージしてくれ」
H:「だからなに」
D:「あそこな、ものすごぉぉぉぉぉく・・・混んでるから」
H:「・・・・・・」
D:「分かるか?おまえの大嫌いな人の群れだ」
H:「・・・言葉の意味くらい分かるよ」
D:「キレて暴れないって約束してくれるか?マジで国際問題になる」
H:「・・・・・・」
D:「約束してくれ。頼むから」
H:「・・・仕方ないね。あなたの言うことを聞くわけじゃないけど、歴史的建造物には敬意を払うことにするよ」
D:(ホッ・・・)
H:「あなたの力で貸切にでも何でもできなかったの?使えない人だね」
D:「無茶言うなよ。ディズニーランドじゃねーんだぞ」
H:「ディズニーランドなら貸切にできるって?」
D:「まー、あれくらいならなんとかな・・・って、おまえ、ああいうの興味あるのか?」
H:「あるわけないでしょ。馬鹿じゃないの」
D:「話振ったくせに・・・相変わらずひでーなぁ・・・」
D:「ここがヴァチカン博物館の入口・・・に並ぶ列の最後尾」
H:「・・・・・・」
D:「・・・・・・恭弥?」
H:「・・・・・・」
D:「・・・恭弥?怒んなよ?」
H:「・・・怒ってないよ」
******
H:「そういえば昨日電話があったよ。獄寺隼人と山本武から」
D:「な!!本当か!?あいつら無事なのか!?つか会ったときにすぐ言えよな、そういう大事なことは!」
H:「元気そうだったよ」
D:「ツナは?リボーンは?チビたちとあの可愛い女の子たちは?一緒なのか?」
H:「さあね。まったく要領を得なくてイライラしたから切ったよ」
D:「切るなよー!!オレらがどんだけ探し回ってると思ってるんだよ!」
H:「知ってるよ。僕だって風紀委員にやらせる仕事が増えて大迷惑してるんだからね」
H:「ローマにいるって言ってたよ」
D:「へ?それはあり得ないぞ?日本からの出国は失踪日までさかのぼって全部チェックしてるんだからな。獄寺と山本は確かに半月前にイタリアに入国してるが、その日のうちに2人とも帰国してる。パスポートもそれぞれの家にあった。だから日本国内にしぼって捜索してるんじゃねーか」
H:「僕に言われても知らないよ。まぁ、無事らしいからいいんじゃない」
D:「そりゃそーだが・・・ロマーリオとボンゴレ本部と、とりあえず電話する。ちょっと待ってろな」
******
H:「戻らなくていいの」
D:「オレもこの2週間ほとんど不眠不休だったんだ。今日はオフだオフだオフだ!とりあえず!」
H:「なにヤケになってるの」
D:「わけわかんなくて混乱してきた。こういう時こそ礼拝堂で神に祈るべきだろ!」
H:「・・・好きにしたら」
D:「やっと入口に着いたな。ちなみにヴァチカン博物館っていうのは、宮殿にあるいくつもの美術館をひっくるめての言い方なんだ」
H:「40分くらい並んだね」
D:「それならまあまあだな。もっと待つときもあれば、全然待たないときもある」
H:「それ、なにも言ってないのと同じだよね」
D:「うっ・・・仕方ねーじゃん、本当のことなんだから・・・」
H:「さっき、誰かと話してた?」
D:「ん?・・・ああ、同じ列に並んだマダムとちょっとな。ニュージーランドから観光に来たそうだが、いいこと教えてもらったぜ」
H:「いいこと?」
D:「美術館を出た後のお楽しみだ♪」
D:「天井や壁に、無数のフレスコ画が描かれてるんだ。ひとつひとつが独立した絵としても通用する完成度なのに、それがびっしり続いてる」
D:「近づくと、こんな感じだな」
D:「彫刻を組み合わせた作品もある。人間や天使をかたどったものも多いな」
D:「円形の天井に描かれたフレスコ画だ。見上げすぎてちょっと首が痛くなるけどな」
D:「なに考えてる?恭弥」
H:「・・・人間にここまでの物を作らせる力って何だろうってね。信仰の力?魅力的な報酬?名誉?純粋な表現欲?忠誠心?それら全部?それともまったく別のもの?」
D:「オレもここに来るたびに同じことを考えるよ。お互い人を動かす立場だからな」
H:「・・・思ったことの一部を、すごく簡単に言っただけだよ。一緒にしないでもらえる」
D:「わかったわかった」
******
D:「あと見たいものは?」
H:「『最後の審判』が見たい」
D:「なら、システィーナ礼拝堂だな。あれはすごいぜ!」
D:「ミケランジェロの大作・最後の審判があるシスティーナ礼拝堂は、コンクラーベっていう教皇選挙も行われる神聖な場所だ。だから写真は撮れないんだ」
H:「写真なんて僕は1枚も撮ってないよ。カメラ持ってるのもあなたでしょ」
D:「珍しい観光客だよな」
H:「目に焼きつけるからいいんだ」
D:「どうだった?」
H:「・・・すごいね。期待以上」
******
D:「ん?恭弥どこ行ってたんだ?」
H:「パンフレットに載ってるヴァチカン図書館っていうのが見たいから職員に聞いたら場所を教えてくれた。『でも本は無いよ』って言われたんだけど」
D:「ははは、確かにな。ヴァチカン図書館は、最後に通ってきた廊下のことだ」
H:「あの絵やタペストリが置かれていた廊下?」
D:「そう。あれが図書館。・・・なぜかはオレも知らない」
D:「買い物はいいのか?土産物もいろいろあるぜ」
H:「館内のヴァチカン郵便局で切手を買ったよ」
D:「切手だけでいいのか?」
H:「いい」
D:「じゃあ美術館を出よう。このミケランジェロの設計と言われてる螺旋階段を通って出るんだ。きれいだろ?」
D:「さて、これがサン・ピエトロ大聖堂。ラファエロ、ミケランジェロなどなど、名だたる芸術家が主任設計者を務めた、カトリックの総本山だ」
D:「大聖堂前のサン・ピエトロ広場だ。設計者はベルニーニ」
H:「・・・壁の上に人がいるね。見られてるみたいで落ち着かないな」
D:「え?像なのにか?」

D:「恭弥、ちょっと周りを見渡してみな」
H:「?」
D:「この景色をよく覚えて・・・」
D:「で、その石の上に立ってもう一度周りを見渡してみるんだ。なにか気づかないか?」
H:「・・・柱が重なって、一本ずつに見えるね」
D:「面白いだろ?そうなるように設計されてるんだ」
H:「さっき教えてもらったことってこれ」
D:「ああ。オレも話には聞いてたが、どの石か知らなかったんだ。じゃあ大聖堂に入ろう」
D:「ミケランジェロ作『ピエタ』。ミケランジェロ25歳のときの作品だ」
H:「25歳・・・ふーん、あなたはあと3年しかないね」
D:「な、なんだよその言い方!オレだってオレなりに頑張ってるっての!」
H:「何も言ってないじゃない」
D:「カメラには収まりきらないな。写真の下の方に見える天蓋は、ベルニーニ作『ブロンズの天蓋』・・・のあたま。法王の主祭壇を覆っている。この真上にクーポラ、つまり外からも見えるあのたまねぎ型のドームがあるんだ」
H:「・・・光の入り方まで、全部計算していたのかな」
D:「天才の仕事だからな」
******
H:「たくさんの墓や祭壇があるね」
D:「ここは建築物であり、美術品であり、祈りの場であり、墓地でもあるんだ」
H:「なんとも言えない空気だ。でも・・・嫌いじゃない」
D:「グロッタには行くか?地下の歴代法王の墓だ」
H:「公開しているの?」
D:「ああ。写真は撮れないけどな。もちろん」
******
D:「歴代法王の墓が並んだ地下通路、ってとこかな」
H:「・・・静謐な空気というものがあるなら、こんな感じかもしれないね」
H:「あそこでたくさんの人が祈ってるみたいだけど」
D:「ヨハネ・パウロ2世の墓だな。2005年に亡くなった先代法王だ」
H:「・・・広く白い大理石の上に赤いバラが散っている。こんなに美しい墓は初めて見た」
******
H:「博物館と大聖堂を見たから帰るよ」
D:「本当にあっさりしてんなー。せっかくだからもう1箇所付き合えよ。すぐ近くだから」
H:「やだ」
D:「そう言うなって!恭弥もきっと気に入ると思うぜ!」
D:「きれいだろ?ここはカステル・サンタンジェロ。聖天使城って意味だ」
H:「・・・正面に見える、あれが城?」
D:「そーだ。ローマ歴代皇帝の墓で、要塞にも牢獄にも法王の住まいにも使われたことのある数奇な城なんだ」
H:「なんで聖天使城なんて名前なの」
D:「いい質問だ!さすがオレの生徒だな!590年にペストが大流行したとき、この城の上に天使が現れた。まもなく病は治まった、っていう伝説から来てるんだぜ!」
D:「このサンタンジェロ橋を見守る12の天使像はベルニーニの作品・・・のコピー」
H:「コピー?」
D:「オリジナルは別の場所にあるんだ。でもきれいだろ?オレの好きな場所だ!」
H:「だからさっきから妙にはしゃいでるんだね」

H:「ちょっとカメラ貸して」
D:「へ?初めてじゃないか写真撮るの?あの天使像が気に入ったのか?」
H:「・・・・・・」
D:「もしかして・・・鳥、か・・・?」

D:「なにをかくそうこの方が!オレの初恋の人だ!」
H:「・・・・・・」
D:「どうだ、美人だろう!」
H:「・・・罰当たりにも程があるね。もう一度礼拝堂に行って、死ぬまで懺悔してきたら」
D:「ひでー!チビのときは、よくここに連れてきてもらってずーっと見上げてたんだぜ。懐かしいなー」
******
D:「リボーンに何か言われてたんだろ?オレ詳しく聞いてないんだけど」
H:「帰る前に電話しろ、とね。僕に頼みごとをするなんて、あの赤ん坊は本当に大物だよ」
D:「電話?誰にだ?」
H:「さあ、知らないよ。登録番号003とだけ聞いてる」
I=イーピン/L=ランボ
L:『あ、オレですランボです!』
H:「・・・だれ」
L:『えええ?またですか?相変わらず酷いですね!同じ守護者じゃないですか!オレのことまだ認めてくれないんですか!?』
D:「どうした恭弥?」
H:「・・・替わって。なんかうざい」
D:「もしもし?」
L:『ディーノさん!オレですランボです!』
D:「えーっと、ツナんとこの牛小僧だな?大人になってるってことは、バズーカに当たったのか?」
L:『バズーカ?いや、今はリアルにオレですよ?逆に最近あんまり10年前に呼び出されなくて寂しいなーなんて』
D:「???わりー、意味が分かんねー・・・だってリアルなチビランボはいま行方不明だろ?」
L:『ゆ、行方不明?オレが?そんなに邪魔ってことですか?ひどい・・・うう・・・うわぁぁぁぁん!!』
I:『ランボ、泣くなら替わって。私も話したい』
L:『うう・・・』
I:『もしもし、ディーノさん?お久しぶりです。イーピンです』
D:「お、ツナんとこの子だな。こっちも大人・・・か」
I:『この間は、うちの店のラーメン食べに来てくれてありがとうございました。忙しくてあまりお構いもできなくてごめんなさい』
D:「ラーメン?お、おう。美味かったぜ!(やべー全然記憶にねー・・・オレ、夢遊病とかあるのかな・・・)」
I:『それで、あの、雲雀さんいらっしゃるんですか?できれば少しお話とか・・・』
D:「おう、いま替わるぜ・・・って、あれ、恭弥の奴どこ行ったんだ?」
I:『あ、いえ、大丈夫です。師匠があんなことになってしまったし、声だけでも思ったんですけど』
D:「(???アルコバレーノの師匠に何かあったのか?でも知らないのオレだけかもしれないし聞いちゃ悪いかな)・・・元気だせよ、イーピン」
I:『はい!ありがとディーノさん!』
H:「・・・もしもし」
D:「わっ」
I:『わっ』
D:「びっくりした。いきなり取んなよ恭弥」
H:「きみ」
I:『は、はい!』
H:「いま何歳」
I:『じゅ、15です!』
H:「いま、10年前に来てるわけじゃないんだよね」
I:『え?』
H:「はいか、いいえか」
I:『は、はい!来てません!』
H:「・・・そう。わかった。それじゃ」
(プツッ・・・ツーツーツー)
L:「イーピン、顔赤いよ」
I:「雲雀さんと話しちゃったよ!やっぱり声も師匠そっくり!」
L:「良かったね、イーピン」
I:「うん。ありがと、ランボ」
L:「本当に電話が来たね。リボーンの言うとおりだった」
I:「うん。これがスタートの合図なんだもんね。じゃ、行こうか」
L:「ナポリ、だよね」
I:「そうだよ!」
******
D:「どうしたんだよ恭弥?」
H:「だいたい分かった。何が起きてるのか」
D:「へ?」
H:「獄寺隼人と山本武からの電話だけど、やっぱり僕の勘違いだったみたいだから」
D:「なんだって?」
H:「そんな電話は、なかった。彼らは行方不明になってから一度も連絡を寄越していない」
D:「はぁ?ちょっと待てよ恭弥!おまえが昨日ローマから連絡受けたって言うから、いまローマ市内も捜索させてるんだぞ!」
H:「ムダだよ。彼らはローマにはもういない」
D:「・・・おまえなぁ・・・」
******
H:「じゃあ帰るよ」
D:「せっかく来たんだからもっとゆっくりしてけばいいのに、って、そんな場合でもねーか」
D:「あいつら、無事なんだろーな・・・?」
H:「・・・どうだろうね」
D:「守護者の半分以上が消えてる。おまえも気をつけろよ」
H:「余計なお世話だよ。自分の心配したら」
D:「ボンゴレリングは絶対に外すな。飯のときも寝るときもだ」
H:「しつこいね、分かってるよ。リングの炎でしょ。もう飛行機の時間だから行くよ。さよなら」
D:「おう。気をつけてな!本当に、気をつけてな!」
H:「・・・あなたもね」
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